2022. 12. 17

閉鎖蒸溜所の再開について考えてみた


本日もご覧頂きましてありがとうございます。
かんてい局三軒茶屋店です。
当店はジャパニーズウイスキー等、お酒の買取のプロフェッショナルです!
今回は閉鎖されていた蒸溜所の再開が話題になっているので、それについて考えた事を書いていきたいと思います。


蒸溜所の閉鎖は珍しい事ではない
蒸溜所の閉鎖と聞くと、倒産、買収、事業撤退等ネガティブな印象が伴いますよね?
特にウイスキーは嗜好品ですので、他の食品と違って万人受けする訳でもないですし、売れている時はフル生産したって間に合いません。
ウイスキーの聖地スコットランドでは、このウイスキービジネスが地場産業として18世紀から続いて来ました。しかしスコットランド人が全てウイスキーを飲むわけでもないですし、スペイサイドやキャンベルタウンに何十という蒸溜所があったというのは、実際驚きです。
実際、スコットランドで作られたウイスキーの大半は輸出されていたという事ですね。北米向けが最も多かったと記憶しています。事実アメリカで1920年代に禁酒法が施行されると、こうしたウイスキーは売れなくなりました。
売れなくなればそれ以上作る必要がありません。利益を上げなければ、人も雇えないし、機械も動かせない。こうして多くの蒸溜所が停止または閉鎖されてきました。
禁酒法の時代に限らず、スコットランドでは蒸溜所の停止、閉鎖、買収、再開は不動産屋の如く、別段珍しい事ではないというのは歴史が証明しています。
日本でもいくつかは有名な蒸溜所が停止/再開または復活という事例があるので、詳しく見ていきたいと思います。



全世界でウイスキーブーム
今や空前のウイスキーブーム。新しい蒸溜所が雨後の筍のように建設され、そのファーストの3年物に何万円という金額が付く物もあるほどです。
しかし、世の中コロナ禍、ウクライナとロシアの戦争、史上空前の円安等我々を取り巻く環境は、少なくとも経済的にはそれほど豊かではないと感じている方も多いのではないでしょうか?
日本だけでも今や大小合わせると100ヶ所くらいの蒸溜所が建設、計画されているそうです。
もちろん、蒸溜所を作る為には、ヒト、モノ、カネの他に、土地、原料購入ルート、設備、技術者等様々な物が必要になってきます。
閉鎖した蒸溜所と一口に言っても、実際数年から数十年まで幅がある訳ですが、こちらは中古住宅とか工場の居抜きを想像してみたらイメージが湧きますでしょうか?
そうした中古物件が出た場合のメリット、デメリットというのを探っていきたいと思います。
蒸溜所のリサイクル?
まず閉鎖した蒸溜所にある物といったら、建屋、設備、土地、ユーティリティは思い浮かびますね。
こうした物を全くゼロから探すと時間もお金もかかりますね。その点”居抜き”の蒸溜所があればこうした所は節約が可能ですね。
こうした設備物ですが、大麦をつぶして、糖化して、蒸留するだけといえばそれまでなんですが、中古品というのはどの程度動く物なのか正直わからないですよね。中古住宅や中古車で万全に修理するのに、金額が新品で買う以上にかかったなんていう話は枚挙に暇がありません。
また各社差別化を図ったお酒作りをしたいと思っているでしょう。出物の設備と作りたいお酒のイメージ、相性というのが合えば良いのでしょうが、こうした所は同業者や専門家でも見極めるのは難しいのではないでしょうか?
最近ではディアジオの取り組みがスコットランドでは話題になっています。
アイラ島ではポートエレンを約40年ぶりに、スぺイサイトではブローラをこちらも40年ぶりに復活させています。


歴史は繰り返すのか?
日本では数年前までは蒸溜所と言うと大手3社に加えて地ウイスキーが数社。そしてベンチャー的な会社が数社参入したといった見方が大半だったかと思います。
それが今や業界図は激変します。北は北海道利尻島から南は沖縄まで、何十という蒸溜所が稼働又は稼働計画となっています。
ウイスキーバブルと呼んで良い物なのか、明らかに人口減少社会に突入している日本ですから、消費者の問題だけでなく、働く人の問題もいずれ出てくるでしょう。
いくら良質でリーズナブルな価格でも、売れなければ撤退するしかないビジネスの世界ですので、厳しい事を言えば、こだわりの強すぎる会社、資本力の無い会社、柔軟性の無い会社は今後継続は難しくなるでしょう。

一方で、古い設備も悪い事ばかりではなさそうです。
ニッカウヰスキーの旧西宮工場で使用していた旧カフェ式スチルを閉鎖に伴い宮城峡蒸溜所に移設。このカフェ式は現在の連続式には出せない独特の風味、味わいを生み出すんだそうです。現在のシングルカフェグレーンとしても、ブレンデッド用としても活躍しているそうです。
またキリンが保有していた軽井沢蒸溜所のポットスチル1基は静岡のガイアフローディスティラリーが購入。Kと名付けられバリバリの現役で稼働し、評価の高い原酒を生み出しているそうです。
マルスの信州蒸溜所も建設後数年で閉鎖、再開まで20年近く停止という憂き目を経験しています。
軽井沢蒸溜所はメルシャンからキリン傘下になったものの、同社の方針転換により閉鎖されました。
しかし軽井沢蒸溜所という名前はそのままに、復活するそうです。但し、オーナーも違い、場所も異なるそうですが、最後のマスターブレンダーや当時を知るスタッフを採用してのスタートだそうです。
また同じ軽井沢というネーミングを使用して、近隣の小諸市で蒸溜所を建設した会社も有ります。
銀座とか軽井沢とか有名なだけに、ブランドネームの使用権とかややこしい話に事欠かないので、そういういざこざに巻き込まれないようにして欲しいものです。
全世界的に景気が悪い中、ウイスキー業界だけは大丈夫なのか?はたまた歴史は繰り返すのか?愛するウイスキーを飲みながら見守ってまいります!


質屋 かんてい局 三軒茶屋店ではウイスキーの販売を行っております。その他のお酒も在庫豊富に取り揃えております。店頭に並んでいないものも多数ございますので、気になるお酒がございましたら、お気軽にスタッフまでお声掛けください!


【12月の定休日】12月14日(水)、21日(水)、31日(土)

0120-47-7878

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かんてい局伯楽三軒茶屋店

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営業時間:10:00~20:00(水曜定休日)
東急田園都市線三軒茶屋 世田谷通り口より約20秒

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