2023. 01. 21

ウイスキーのピートについて考えてみた

ピートって何?



ウイスキーを飲む方々には、お馴染みの単語ですが、飲まない方、飲み始めた方には何の事かと思っておられる人も多いかと思います。ピート感とかピーティー等、名詞や形容詞で使われる場合もあります。
簡単に言うと、独特の臭い香りの事です。ウイスキーの香りを形容して、軽い場合は煙臭い、スモーキー、強い場合はヨード、ゴム、正露丸、コールタールを比喩して使われる事が多いですね。
これはウイスキーの製造工程というか、原料である麦芽の処理工程に深い関係があります。

泥炭

麦芽を乾燥させるのに古くからスコットランドでは泥炭と呼ばれる燃料が使われてきました。泥炭とは植物が地中で炭化した石炭の一種と定義して間違いなさそうです。木材の少ない同地では、貴重な燃料として長く使われてきた歴史があります。こうした泥を天日で乾燥させ、麦芽の乾燥に使っているのです。
日本ではウイスキー作りはスコットランドを見本としてきたため、こうした泥炭も北海道等一部の地域で使われています。
こうした個人感覚によっても違うピート感ですが、各蒸溜所はどのようにして管理しているのでしょうか?
一つはフェノール値という指標があります。一般的にフェノール値が高い=スモーキーフレーバーと言われています。

実際は原料に含まれるフェノール値が高くても、樽熟成他の要因によってピート感が変化します。
一部の蒸溜所はフロアモルティングと呼ばれる伝統的な手法でウイスキーを作っています。文字通り自社で床に大麦を広げて、発芽させて大麦麦芽にする事です。
しかしながら、殆どの蒸溜所はモルトスターと呼ばれる製麦会社から購入しているそうです。全て自社で賄いきれないためです。
その際にどのような原酒を作りたいかによってそうした業者に「フェノール値が○○」と指定して購入するようです。

フェノール値が全てではない

フェノール値が高くてもそれほどピートが強くないウイスキーになったり、それほどフェノール値が高くなくても、強烈にピーティなウイスキーになる事があるんだそうです。
これは蒸溜方法やミドルカット(出てきた原酒の中間のみ回収する事)によって変わるそうです。
フェノールがそうした製造工程でフェノール化合物となって独特の香り(ピート香)を生み出すのですが、フェノール化合物の他、クレゾールやグアヤコールという化合物になる場合もあるため、各社個性のあるウイスキーに仕上げているのですね!

こうしたピートの強いウイスキーの代表と言えばアイラ島のアイラウイスキーでしょう。
現在アイラ島には9つの蒸溜所があり、生産キャパは以下の通りです。
1.カリラ     650万KL
2.ラフロイグ   330万KL
3.ブナハーブン  270万KL
4.ラガヴーリン  260万KL
5.ボウモア    215万KL
6.アードベッグ  210万KL
7.ブルックラディ 200万KL
8.アードナッホー 100万KL
9.キルホーマン   65万KL

少し前の統計ですが、各社このウイスキーブームに乗って生産キャパアップを狙って設備投資合戦の様を呈しているようです。
この中でも南部に位置するラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグはピートの強いウイスキーで有名ですね。またブルックラディのオクトモアは現状で最もフェノール値の高い大麦を使っています。
他にもアイランズに分類されるタリスカーやハイランドパークや余市、厚岸も、その土地に泥炭が取れるというのも、アイラウイスキーとよく似ています。

味わい

一方でノンピートと呼ばれるフェノール値ゼロの原料を使っている蒸溜所もあります。
アイラで言えば、ブナハーブンやブルックラディ等北部の蒸溜に顕著です。
中部に位置するボウモアやカリラはそれほどピートはほど良く、甘みが強めなのが特徴。 南部のスモーキー3兄弟は強烈なピートでしのぎを削っていますね(笑)
やはり、テイスティングは感覚が十人十色ですから、ひとえにピーティと言っても他の味の要素、例えば甘み、辛み、酸味、苦み等との組み合わせによって変わりますね。熟成させた樽、年数、その他によって複雑な風味、味に変化を遂げていくピーティなウイスキーを試してみてはいかがでしょうか?

日本のピートウイスキー


日本を代表するピートウイスキーと言えば、やはり余市ではないでしょうか?
スコットランド同様北海道では石炭、泥炭が取れますし、ニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝氏はスコットランドを見習って余市蒸溜所を建設しウイスキー作りをしたからというのもありますね。
また同じ北海道の厚岸もピートウイスキーを作っています。
厚岸と言えば牡蠣で有名です。アイラ島でも牡蠣の養殖が盛んで、生牡蠣にアイラウイスキーをかけて食するそうです。厚岸蒸溜所の創業者は、厚岸でこれと同じ事をしたいという情熱で蒸溜所を建設したと言っておられました。
またスコットランドから原酒や原料を購入して独自のウイスキーを作っている蒸溜所もあります。
ピートの強さで言うと、富山の三郎丸蒸溜所の人気が高いようです。ピーティさにこだわってウイスキー作りをしていっているようですね。


上記で紹介したウイスキーもごく一部となります。ウイスキーは嗜好品である為、ウイスキーは好きだけど、ピートやスモーキーなのはダメという方もおられるのではないでしょうか。世界中で売れているラフロイグでも、嫌いな人は、おもわずおえってなってしまうという事もあります。
また最近アードベッグはアードベッグコミッティといういわばファンクラブを立上げ、会員数=売上数を伸ばしているそうです。一方でハイパーノヴァという「世界一スモーキーなウイスキー」と銘打ってリリースしたのは記憶に新しいですね。
しかし、星の数ほど有るウイスキーの中で、飲まず嫌いにしておくのももったいないと考えるのは私だけでしょうか(笑)人生100年時代と言われますが、死ぬまでにあとどのくらいウイスキーを飲めるのか?切実な問題です!選り好みしている場合ではないんです(笑)
ウイスキーを楽しむ上で、このピートは重要な要素の一つなので、飲んだ事が無い方、極端に抵抗が無い方は是非とも試してみて頂きたいです。また違った世界が広がる事間違い無しです!諸説有ります(笑)

質屋 かんてい局 三軒茶屋店ではシングルモルトウイスキーの販売を行っております。その他のお酒も在庫豊富に取り揃えております。店頭に並んでいないものも多数ございますので、気になるお酒がございましたら、お気軽にスタッフまでお声掛けください!

【2月の定休日】2月8日(水)、15日(水)

0120-47-7878

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